冬のロマンス
「うん。・・・サンキュ」
どんな表情をしていいか分からずに、結局泣き笑いの顔で沙成はパネルを抱きしめた。
不安が去れば、普段の調子が戻ってくる。
「沙成はくれないの? プレゼント」
あくまで冗談のつもりだった。自分が渡したからと言って、相手にまで要求するつもりはなかった。ただ、キスの一つでもせしめようと思って言った言葉だった。
なのに。
「後で渡そうと思ってたんだけど・・・。取ってくるよ」
予想外の返答が返ってきた。ー哲平が思っていたよりももずっと、沙成はこのクリスマスを大切にしていたらしい。あんな何気ない言葉に腹を立てたりしないで、いつもみたいにさらりと流しておけば良かった。そうしたら沙成を傷つけずに済んだのに。
苦い後悔をしている間に、沙成は戻ってきた。手にはキャンバスと思しき包みを抱えている。哲平があげたパネルよりも一回り大きい。
どんな表情をしていいか分からずに、結局泣き笑いの顔で沙成はパネルを抱きしめた。
不安が去れば、普段の調子が戻ってくる。
「沙成はくれないの? プレゼント」
あくまで冗談のつもりだった。自分が渡したからと言って、相手にまで要求するつもりはなかった。ただ、キスの一つでもせしめようと思って言った言葉だった。
なのに。
「後で渡そうと思ってたんだけど・・・。取ってくるよ」
予想外の返答が返ってきた。ー哲平が思っていたよりももずっと、沙成はこのクリスマスを大切にしていたらしい。あんな何気ない言葉に腹を立てたりしないで、いつもみたいにさらりと流しておけば良かった。そうしたら沙成を傷つけずに済んだのに。
苦い後悔をしている間に、沙成は戻ってきた。手にはキャンバスと思しき包みを抱えている。哲平があげたパネルよりも一回り大きい。