【完結】しゅがぁLOVE
そうそう、あのとき押そうとしたら横から…
ーピッ ガシャン
ああそうだ、こんなふうに横から手が伸びてきて。
押してないのに音がして…。
って。
「ちょっと待てっ!」
例によって、あたしはまだ押していない。
ボタンに触れていない。
…じゃあなんでピッて音がした?
礼央が押したからでしょうがっ!!
「何押してんの!?常識を考えろやチンカスがぁ!」
「…ブッ!」
…ブ?
力任せに叫んで礼央の顔を思いっきり睨もうと顔を上げたところ、噴き出したような音が聞こえた。
「あんたって…やっぱりずれてるよね…っハハ」
うわ、……。
笑ってる…。
クスクスと、礼央は静かに笑ってて。
いつもの無表情なんかじゃなくて。
綺麗で可愛い顔をして、笑ってた。