【完結】しゅがぁLOVE
「お前、ちゃんと勉強してきたかー?」
「ばっちりっす」
ハッハッハ、と豪快に笑う担任に言い返す気力もなく、ただうなずく。
今日はテスト当日で。
これで点数がとれなかったら進級するためのテストも受けなきゃいけなくなる。
でも、だ。
あんだけ教えてもらったけど、
もうなんかそれどころじゃない。
ホントにヤバい。
違う意味で。
「じゃあ開始ー」
やる気のない声が教室に響くと、あたし以外にも結構いる追試者が一斉にプリントを裏返しだした。
昨日、あれから…
気付いてしまった。
あたしはたぶん、
あの礼央を好きになってる。
あり得ない…。
そりゃたしかにかっこいいけど!
無口で無表情で不良な礼央を好きになるなんて、人生で一度も妄想したことがなかった。