【完結】しゅがぁLOVE
「いやあぁ、お前のおかげで一時はどうしようかとまで思ったコイツがなぁ…」
なんて嬉しそうにあたしのテストを自慢してる担任を睨みつける余裕もなく。
後ろにいるであろう礼央に、振り返ることすらできない。
や、だってほら、だってほら!
あれからしゃべってないんだって。
ヤバいんだって。
「あー、すごいすごい」
「だっろぉ!?」
いやいやいや、全然気持ちこもってないからっ。
気付けおっさん!
「おい、佐倉っ!なんでお前そんな方にいるんだ?こっちこいっ」
極めつけはそうきたか!?
あんたあたしにどれだけ恨みがあるの!?
なんて言えるはずもなく。
だけど振り返ることもできず。
とりあえずあたしがとった行動は、
「あたし用事思い出した!」
逃げる。
あたしが誇る逃げ足で走りだす。
「お前に急ぐだけの用事があんのかー?」
後ろで叫んでる声は無視。