【完結】しゅがぁLOVE
何度も聞き慣れた溜息も、無視。
ついでに「用事ってトイレ?」なんて失礼な言葉も無視!
ぴゅーっと走って、曲がり角の寸前にチラッと見えたその瞬間では。
眉間によった深い皺と、冷たい表情が確認できた。
久しぶりにみた礼央は、怒ってるみたいで。
何に対して怒ってんのかなんてわかんないけど。
あたしを睨む瞳が恐くて。
目が合ったらガラにもなく震えちゃいそうで。
目が合いそうになったら、思いっきり顔を逸らしてしまった。
だけどしゃべりたくてしょうがない。
それもまた大切な事実。
あの声が、あの瞳が、あの仕草が、あの笑顔が。
全部懐かしくなっちゃって。
隣で見たい、なんて勝手な思いは、
どんどん風船みたいに大きくなる。
そうしていつかは、破裂しちゃうのかな。