【完結】しゅがぁLOVE
「ちょ、なにすんのっ!?」
目の前の胸板を力一杯押してるのに、
離してくれない。
何も言わないのに、離さなくて。
腕の力を強めてくる。
「や、礼央っ」
たまらず声を上げた。
だってあたしは礼央が好きで。
これ以上礼央に嫌われないために、離れたようなもんなのに。
好きで、好きで、好きで。
気持ちは全然消えなくて。
こんなことされたら、大きく脹らんだ風船は、簡単に破裂する。
「礼央ー…」
どんどん声が弱くなる。
震える声をしぼりだすように言えば、
礼央が溜息をはく気配があった。
「あんたの、所為だ」
抱きしめる力を強くして、呟くように話しだす。
「あんたの所為で、死ぬかと思ったんだけど」
「…え?なに?誰かになんかやられたの?」
あたしの肩に頭を乗せながら話しだした礼央に、心配になって聞く。