【完結】しゅがぁLOVE
待ってた、って。
誰を…
「あんたを」
幻聴かと思うような言葉に、目をパチパチと動かす。
だって礼央が、待ってたっていったんだよ。
無関心な礼央が、あたしを。
あり得ない
「あたし、まだ聴力は落ちてないはずなんだけど…」
「は?」
視力と聴力は、あたしの誇るべきものだったのに。
ゲームのやりすぎ?
聴力が落ちてきたのかな。
「鈍すぎ」
礼央は、はぁーっと大きな溜息をはく。
「うるさいなっ!だって礼央が悪い…」
最後までは言えなかった。
ーグイッ
腕を掴まれて一気に引っ張られて。
バランスを崩したと思ったら、頬にあたる人の体温。
気付いたら、礼央の腕の中で。
見た目よりもずっとたくましい体に、顔がポストみたいに真っ赤になる。