【短編】スキまでの距離
「やっと見つけた。」
そう聞こえた途端後ろから抱きしめられた。
声ですぐにわかる。
佐藤くんの温かい腕に包まれている。
抱きしめられた体が熱い。
追いかけてきてくれたことが嬉しかった。
佐藤くんが来てくれるなんて信じられない。
それでも恥ずかしくて、
逃げようと小さく抵抗する。
でもその腕は男の人のものでびくりともしない。
「言い逃げなんてずるいぞ。」
そう、耳元で聞こえた。
「・・・っ。ひっく。」
恥ずかしいのと
嬉しいのと
動揺とで、
自分の気持ちがぐちゃぐちゃで
もう涙しか出ない。