Love×Lovers~秘密の婚約者~
『悠梨愛、行くか?』
気が進まないのを隠して、笑顔で答える。
「そう言えば、どこ行くの?ファミレスとかは無理でしょう?」
そんな質問をした私に、笙は大きな声で笑った。
『俺を誰だと思ってる。俺のマンション。住んでないけど。』
へぇ、笙ってマンション持ってるんだ。
まぁ、汐美財閥だものね。
ちなみに住んでないのは、この学校が全寮制だから。
転入するまでは住んでたんじゃないかな。
「あっ、先生遅くなるみたいだけど・・・」
『予測済み!!来るまで待ってた方がいい。』
「先生、マンション分かんないものね。」
と、また笙が笑いだした。
『まぁな?フフッ・・・』
「ちょっと!!何で笑ってるのよ?!」
私はちょっと怒り気味。
笙は優しく微笑んで、私の手を自分の手に乗せた。
『俺も一応、男ですから。』
その柔らかな微笑みに、笑みが引きつってしまう。
ちょっと私・・・危険かも?