秘密の彼氏


「うあ・・・」


あたしと進は電車通学をしている。

いつもは空いているこの電車。


今日はなぜだか満員だ・・・



「なんでー・・・?」


「なんか今日、この電車走るの最後らしいよ」


「へ?」



当たり前のようにそう教えてくれた進。

「なんでそんなこと知ってるの?」



「ん。俺が買ってる雑誌についてた」


「あ・・・そっか」



もちろん進が買っている雑誌とはヲタク雑誌。

なにやらその雑誌はアニメと鉄道が一緒に掲載されているらしい。



「満員電車、嫌だなぁ・・・」


あたしは前に痴漢にあったことがある。

その時から満員電車はトラウマなのだ。

そして、このことは進も知っている。




..ねぇ進?
こうゆうとき、普通彼氏というものは

“大丈夫。俺がお前の事守ってやるよ”

とか甘い言葉で彼女を安心させてあげるものなのよ?




< 34 / 42 >

この作品をシェア

pagetop