秘密の彼氏
「うあ・・・」
あたしと進は電車通学をしている。
いつもは空いているこの電車。
今日はなぜだか満員だ・・・
「なんでー・・・?」
「なんか今日、この電車走るの最後らしいよ」
「へ?」
当たり前のようにそう教えてくれた進。
「なんでそんなこと知ってるの?」
「ん。俺が買ってる雑誌についてた」
「あ・・・そっか」
もちろん進が買っている雑誌とはヲタク雑誌。
なにやらその雑誌はアニメと鉄道が一緒に掲載されているらしい。
「満員電車、嫌だなぁ・・・」
あたしは前に痴漢にあったことがある。
その時から満員電車はトラウマなのだ。
そして、このことは進も知っている。
..ねぇ進?
こうゆうとき、普通彼氏というものは
“大丈夫。俺がお前の事守ってやるよ”
とか甘い言葉で彼女を安心させてあげるものなのよ?