秘密の彼氏



だが、案の定進の口から発せられた言葉は・・・


「俺も満員電車って苦手だなー」

「うん」


・・・・・・・・・

あ、あれ??

たったそれだけ?!!?


驚いたように進を見上げると、「ん?」と可愛い顔をして首を傾げていた。



・・・結局、あたしが望んでたように,
進は甘い言葉を与えてはくれなかった。



「もういいよっ!!一本電車送らせよ!」


あくまでも乗りたくはないあたし。



「え、そんなに嫌?」

「当たり前じゃん。あたしもう二度とあんな経験したくない!」


フン!と腰に手を当て言ってみると,
進はなにやら思い出したように「あ!」と声を上げた。



・・・あ、あれ??
これってきっと,あたしが痴漢にあったこと今まで忘れてただけで
今思い出したのかも!!

来るかも!来るかも!!あの言葉っ!!


あたしの脈は急加速



そして進の口から発せられた,待ちに待った言葉は―――!







「今日、テニスの王女様の再放送だった!録画忘れたー!!!」




・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・


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