だから、笑え
日和と俺は晴哉さんの墓参りを終えて、風の冷たい坂道を肩を並べて歩いた。
この場所は、元々日和の親父さんの実家があったらしい。両親は早くに亡くなって、後にアトリエを作り、そして、小高いこの丘に晴哉さんの眠る場所を作った。
無言で歩きながら、吹き抜ける風に軽く身震いした日和に気付く。
俺は着ていたパーカーを日和にかけて、そのまま引き寄せる。
いっとくけど、俺はこんなに優しくない。
日和にだけ。
大事なのが日和だけだから。
日和はフワリと笑う。
「ありがとうございます。今日が命日だって知ってたんですね」
瞳が赤い。だけど涙は零れない大きな瞳。