親友!?幼なじみ!?恋人!?
「美波?」
俺が呼びかけると、一瞬体がびくっとなって、驚いた表情で顔をあげた。
「あぁ・・晃。」
「どうかしたか?」
心配してたずねると、なにも言わずにただ首を左右に振った。
「そっか…なんかあったら言えよ?」
そう言うと、「ありがとう。」と弱弱しく返事をして俺の前を通っていった。
それからすぐ、玄関のしまる音がした。
階段を上がってくる音から真琴だと判断できた。
俺は何も言わずに、廊下の壁にもたれかかって真琴が通るだろう廊下の先を睨んだ。
思ったとおり、真琴が俺に気づき、恐怖におびえた表情へと一瞬にして変化した。
「どういうつもり?」
美波のいる部屋には聞こえないような声で真琴に話しかけた。
今にも涙が流れ落ちそうなほど目に涙をためている。
でも、今の俺にはそんなことどうでもいい!
身体を小刻みに震わせて、俺を見つめる真琴。
そんな真琴を俺は容赦なく睨みつけた。
「ぁっ・・・・ぁっ・・・」
言葉にならない声を出して、真琴は立ち尽くしていた。