この腕の中で君を想う

明らかにさっきより声のﾄｰﾝが低い




ｺﾂ…ｺﾂ…


革靴の音がやけに耳につく


ヤバッ…近づいてきた




「ｱﾊﾊ…やっぱ今の冗談…じゃあ私はこれで失礼します」

とても男の顔なんて見れる状態じゃない


今日は真っ直ぐ家に帰ろうと男のいる方向と反対方向へ足を動かす






が


「おい待て、逃げんのか?」