この腕の中で君を想う


「あの…帰らないと親が心配するんで…手、離してもらえません?」





本当は夜中に帰っても怒られない素晴らしくゆるい家庭


それどころか「ついに眞理も夜遊びデビューか♪」って


ニヤニヤしながら褒められるくらいだ



引きつる顔を無理矢理笑顔に変えて男の顔を見れば



「目が泳いでる。もっとましな嘘はつけないのか?」



男はニヤッと笑うと、スルリと腰に手を回してさらに体を引き寄せた



「………」


チッ

すぐにバレた



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