この腕の中で君を想う


「……ッ!?」

まさかいると思っていなかったのだろう

目の前に突っ立っている私を見て白山は大きく目を見開いた

「……」
「……」

静寂が私達を包み込む

時計の音が規則正しく鳴っていて、それが一層ここの静けさを物語っていた


「…どうして」

やっと絞り出すように言葉を発する白山

その表情は動揺の色が見え隠れし、真意を探ろうとしているのか私をジッと見据えていた

「どうして…って貴方が十数える間に決めろって言う…から」


今思えばこれって遠回しに付き合って下さいって言ってるようなものだよね!?

途端に一気に恥ずかしくなり、自然と語尾が小さくなってゆく


「てか、今更嘘だとか言わないでよね…ぅわッ!?」



突然視界がぐらりと揺れて



再び香る甘い匂い



不覚にも気を抜いていたため私はあっさりと白山の方へ引き寄せられてしまった


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