この腕の中で君を想う


「諦めたのか?」

「………」

「そう怒んなよ。悪かったって」

大して悪びれた様子もなく子供をあやすような手つきで私の髪をクシャクシャにしていく


「やっ…髪がボサボサになるって!!」


悪態つきながらも、白山の手の温もりが心地いいなんて思ってしまっている自分が恨めしい

それを悟られたくなくて嫌そうな顔をして顔を上げれば

何故か白山の唇が綺麗な弧を描いていて


「やっと顔上げたか。カリカリ女」

「なッ…別にカリカリしてないっ!!」

「それに顔真っ赤。あんなお店まで行く癖してこういうコトが恥ずかしいのか?」

「~~ッ///」

「あれ、図星?」

意地悪い笑みを浮かべているヤツが今は最上級に腹が立つ

コイツ態と人の神経逆撫でするような言葉ばっかり言って!!

「そんな訳ないでしょ!!てか、離してよおじさ…」

頭に血が上って思わず余計な一言まで口走ってしまい、慌てて口を塞ぐが


時既に遅し


白山の眉がピクリと上がったかと思えば

「へぇ…俺にそんなこと言うとはいい度胸だな」

満面の笑み…いや、正しくはドス黒い笑みで私を見る白山に私はサァーと血の気が引いていくのが分かった

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