この腕の中で君を想う


「なんならここで待ってる?」

「いえ、もう遅いですし帰ります」

彗月さんの厚意に軽く頭を下げて背中を向ければ、ちょっと待ってと呼び止められた

「…彗月さん?」

「聞くつもりはなかったんだけど…最近眞理と何かあったの?」


どこか確信をもって問い掛ける彗月さんにドキリと胸が鳴る

親というものはどうしてこうも鋭いのだろうか…

でも、こんな事を聞いてくるってことは

眞理はまだ別れた事を言ってないのか


俺と…同じで


「……っ」

なんて…自分勝手なんだろう

別れを切り出したのは、俺なのに

嬉しいなんておもってる

「…ちょっと喧嘩しちゃって、気にしないで下さい」

早く会いたい

会って、確かめたい

真実を

眞理の口から話して欲しい

「…そうなの」

彗月さんは不満そうな顔を浮かべているが、詳しく話す時間も余裕も俺にはなくて

「…お邪魔しました」

ニコリと笑って誤魔化すと、眞理の行きそうな場所を頭で考えながら彗月さんに背を向けて走った



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