この腕の中で君を想う
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-佐藤眞理side-
誰もいない薄暗い公園の中でボールを打ち付ける音が静かに響く
ダムダムダム
シュッーーー
スパンッ
ボールは綺麗な放物線を描いてゴールへ吸い込まれていく
「………」
懐かしいコートの感触…ゴールの音
虚しく転がったボールを取りに行きながら
ふと、思う
…あの時、ここに居なかったら私はバスケを続けていたのだろうか
ケガもせずに全国大会に出て…大学生の今でもバスケを続けて…
そこまで考えて、自分はなんて甘い奴なんだと思った
ケガなんてとっくの昔に治ってる。こうやってバスケも出来るし走れる
やろうと思えば出来る環境も身体もある
ただ、恐いんだ
また肝心な場所で怪我をして、バスケを諦める事が
そしてなによりも冬夜のあんな顔を見たくないから
「…あーあ」
何でだろう
大好きなバスケをしているのに
こんなに辛い
広いコートの真ん中に座り込み、暫く蹲っていたら
突然フワリ、と肩に何かを掛けられ徐にソレに触れれば
まだ暖かい…少し汗の匂いのするジャージだった
「なにしてんの」
咎めるような声ではなく、単純に不思議だったのだろう淡々とした声
徐に顔を上げれば、やや息を切らせた幼馴染が立っていた