この腕の中で君を想う




「ん…お疲れ様」


パタンとパソコンを閉じると、俺に優しい笑みを浮かべた


とても中年の男には見えない爽やかな笑顔

いわゆるイケメンの部類に入るだろう整った顔立ちをしている


「毎日こんなに仕事を押し付けてすまない。本当は他の人に頼んでもいいんだが…他の奴らはとにかく仕事が遅くて困るんだ」


ハァ…と溜め息混じりに話す社長

俺以上に膨大な仕事をこなしているのに疲れているような表情は微塵も出さない


「…立花は仕事がかなり出来ると思いますけど」

さっきの出来事を思い出して少し顔が曇るが、これは仕事の話だと割り切って、立花の名前を口に出してみる


「あー…確かに出来るがあいつにはどうも頼みづらい。ガッチガチに堅そうだしな」

そう言って自分の頭を指差してニヤリと笑った


「プッ…言えてる」

俺は思わず吹き出した



…この部屋は好きではないが、社長は嫌いではない

仕事が終わればフレンドリーで、なにより俺と話が合う

この気さくな性格と仕事の速さを評価されてみんなからの人望が厚い

本当に俺達社員にとって鏡になる存在だ


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