六人に届いた手紙
「でも加奈の幽霊が犯人じゃなかったら、どう考えても、この中の誰かが犯人の可能性が高くなっちゃうよ」


 普段口数の少ない恵子が、いつもより大きな声で言った。


「そこが考えたくない所なのは、みんな同じだよ」


 幸子の一言で、みんなぞれぞれ考え込んだ。
 誰だって信じてる友達を疑いたくない。でもだからこそ私は真実が知りたいと思う。


「もしこの中で、私に恨みがあるのなら、ハッキリ言って欲しい。ずっと友達だったのに、こんな風にギクシャクするの嫌じゃない?」


 朋子が皆に向けて言ったが、朋子に恨みがある者は誰も居なかった。しかし優子と幸子は、ある人物の朋子に対する鋭い視線を見てしまった。

 何となく耐えられなかった優子と幸子は、お酒のせいもあるのだろう。猛烈な吐き気に襲われた。


「ちょっと大丈夫? 二人とも具合悪い?」


 亜紀が心配してくれ、優子と幸子は揃って無言で頷く。


「そういえば優子、幸子と二人で冷蔵庫のビール飲み尽くして、フロントに貰いに来てたよね。二人共飲みすぎだよ」


 苦笑しながら恵子が言った。


「恵子、何で知ってるの〜?」


 沙也加が不思議そうに訊いている。

 恵子が、大浴場から出た時に、バッタリ優子と会ったいきさつを説明した。


「そうなんだ。じゃあ優子と幸子は寝かせた方がいいね。みんな部屋に戻ろう。おやすみ」


 朋子がそう言って、みんなを連れて部屋を出て行った。

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