六人に届いた手紙
 何これっ! えっ加奈? 

 優子は目を疑った……。

 いや、加奈のはずない。私達六人の中の誰かが? いや、こんな悪趣味なイタズラするわけない。何だか嫌な予感がする。それが何なのかは漠然としすぎて分からないけど……。


「おい優子大丈夫か? 顔真っ青だぞ! 手紙誰からだったんだ?」


 信太に手紙を渡すと、読み終えて驚くべき事を言った。


「そういや加奈ちゃんって自殺したんだよな……。俺さっきは名前思い出せなかったけど、さっき海岸の岩場で俺と翔が見た女の人、間違いなく加奈ちゃんだった。当時と同じ、金髪のベリーショートの髪型で……」


「えっ? 何言ってるの信太、加奈は二十歳の時に……」


 信太が見たのは幽霊? 幽霊が手紙も出したって言うの? 

 優子は混乱して言葉が続かなかった。


「優子、とにかく後の五人に電話してみろよ。友達の誰かが、サプライズで集まりたくて、悪趣味だけど加奈ちゃんの名前使ったのかもしれないだろ! 大丈夫だよ! 今日の夕飯は俺が作ってやるし、たまにはゆっくりしろよ! 翔もおりこうさんに出来るもんな〜」


「うん。僕パパとご飯作るから、ママはおりこうさんにして待っててね」


 信太と翔が気遣ってくれたお陰で、少し落ち着く事が出来た。
 優子は家族の温かさが嬉しかった。


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