溺愛ラバーズ
LOVE.12 -実家-
朝、目が覚めると隣にまりあがいる。





一緒に寝るなんて初めてだな。





「んっ……。」





顔に掛かった髪を退けてやると、俺を危なくする声が聞こえる。





「樹、さん…?」


「おはよう。体は大丈夫か?」


「うん。」





うっすらと目を開け微笑んでくれる。





「昼から支社に行って来る。早めに帰って来るからゆっくりしてろ。」


「うん。」


「夜も会食があるんだがなるべく早く帰るから。」


「……うん。」





まりあの顔は曇り、泣きそうな表情を浮かべる。





「会食までの間にアルバイト先に行こう。荷物やらあるだろう?」


「うん。赤ちゃんの荷物もあるの。」


「そうか…大きな荷物は先に送ってもらうか。」


「そうする。」





こんな朝も悪くない。





1日中こうしていたいぐらいだ。




「まりあ、社長に電話するか?」


「あっ、そっか。忘れてた。」





電話をすると言ったまりあをゆっくりと起こし、携帯を渡した。





「………あっ!ひなのちゃん?」


『お姉様――――!?』





俺にまで煩い声が聞こえる。




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