溺愛ラバーズ
「もしもし?ひなのちゃん?」





まりあが何度も妹に問いかける。




「どうしたんだ?」


「ひなのちゃん、気絶しちゃったみたい。」





は?気絶?





「あっお母さん?……うん………ごめんなさい、大丈夫…うん、わかった。」





家に電話するまりあの顔は笑顔だ。





「お父さん。……ごめんなさい。…うん、今一緒にいるの。……ちょっと待ってね。」





携帯を耳から離し、差し出してくる。





「社長か?」


「うん。樹さんに変わってって。」




そう言われ、携帯を耳に当てる。




「お電話変わりました。高杉です。」


『高杉くん、まりあを見つけたのか?』


「おはようございます。はい、偶然見つけました。」


『ああ、おはよう。そうか……よかったよ。高杉くん、ありがとう。』


「いいえ、出張が終わり次第まりあと一緒に帰ります。」


『確か1週間の出張だったね。』

「はい。」


『明後日に代理を送るから、帰っておいで。』


「は?」


『いや〜本当によかったよ。詳しい事は帰って聞く事にするよ。』




それだけ言い、電話は切れてしまった。




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