幸せな結末
「協力をするか、若宮」

主任が同意を求めるように俺に視線を向けた。

えっ、俺に話を振るんですか?

いきなり話を振られたので、俺は美羽ちゃんに視線を向けた。

美羽ちゃんはと言うと、
「任せる」

そう言って、ニコッと笑い返した。

かすかに彼女から黒いものが見えたのは、酒のせいにしたい。

彼女の笑顔を怖く感じたのは、今日が初めてだろう。

ケンカは絶対に勝てないなと、俺は心の中で密かに呟いた。

「淳平も手伝うって♪」

堺ちゃんの嬉しそうな声が聞こえた。

課長、あなたもですか…。

「よし、やろう」

俺は首を縦に振ってうなずいた。

美羽ちゃんを泣かせた分、少しは懲らしめないと。
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