幸せな結末
「主任」

声をかけた俺に、
「んっ、まだいたの?」

主任が言った。

やっぱり、俺たちのことを忘れられていた。

と言うよりも、俺たちは何で呼ばれたんだ?

「とにかく、まだ懲りてないことだけはよくわかった」

ため息混じりに理彩さんが言った。

「あたし、和志のヤツを一生許さない。

楠田さんにまで手を出すなんて、何としてでもボコボコにしなきゃ」

理彩さんは腕を組んだ。

ボコボコって、女の子がそんなことを言っちゃダメでしょ?

そう言いたかったけど、俺の命が危ないのでやめた。

「悪だくみならあたしも混ぜて〜♪」

ニコニコと笑いながら、堺ちゃんが言った。

そんな彼女に課長は複雑そうに苦笑いをした。
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