【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
サヤ、あんたって子は・・・・。

普段はのほほんキャラのくせに、こういうところだけはビシッと決めてくるんだから。


「・・・・ありがと、サヤ」

『いいえ〜。どういたしまして。それじゃあチカ、おやすみ〜』

「おやすみ」


そうしてサヤとの電話は終わったけれど、あたしは目が冴えてしばらく寝つけなかった。

サヤのストレートな言葉で、正直あたしの心が揺れたんだ。

気持ちを伝えるべきか、伝えないべきか・・・・今すぐには決められないけど、一度した決心が揺らいだのは確かなこと。


だって、逆のパターンだって十分に考えられるんだもん。

先輩は人気者だし、依頼してくる女子の中に先輩に本気の子が現れるかもしれないし。

もしも先輩がその子の告白を受け入れたなら、今度は先輩自ら退部・・・・コクレン部はあたし1人だけになってしまう。


そうなると、あたしは告白しなかったことをすごく後悔するはず。

でも、時すでに遅く。

先輩はラブラブな高校生活を送りましたとさ、めでたしめでたし。


「そんなの嫌だぁ!」
 

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