【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
目が冴えているせいで、どうしても最悪の想像ばかりしてしまう。
サヤ情報だと、今のところ先輩に彼女はいないらしいけど。
告白するかしないかで悩んでいる間にひょっこりできちゃう可能性だってあるワケで・・・・。
「いっそ、先輩に“告白の練習させてください”って嘘ついて、本当は告白してるってパターンにしてみようかな。あたしの恋の練習台になって!みたいな?」
・・・・。
ダメだ、却下だ。
考えただけで悲しくなった。
だいたい、こんなズルい告白なんて先輩もあたしも一番嫌いなパターンじゃないの。
それに・・・・中学のとき、面白半分で告白してきた男子と同じことをしようとしているじゃないの。
「だぁー、もー!! 正々堂々、真っすぐストレートに!それが基本じゃん!本気でぶつからなきゃ本気で応えてもらえない!」
嫌な自分を心の中から追い出すために、そう声を張り上げて布団に頭から潜った。
本当は眠れる気なんてこれっぽっちもしないけど、ここは気合い。
ていうか、あたしを悩ませるなってば、おちゃらけバカ・・・・。