【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
 
ちぃーちゃんがいないコクレン部なんてつまんないじゃん?

そう言って、先輩は春の下駄箱で声をかけてきたときのようにおちゃらけたポーズをとった。

そのポーズが懐かしいやら嬉しいやらで、あたしは・・・・。


「せんぱいッ!」


柄にもなく耳まで真っ赤にして笑う先輩に飛びついた。

先輩と過ごす楽しい楽しい夏休みの、これが始まり───・・。















───突然ですが、あたしが通う高校にはいかにもアヤシイ部活があります。

スポーツ系、文化系といった一般的な部活ももちろんあるけど、中でも異色中の異色がこの部活。


“告白練習部”

略して“コクレン”


主な活動内容は、恋する男子・女子が意中の相手に最高の告白ができるように指導すること。

告白の練習台になること。


ちなみに部則は、依頼主と部員との恋愛は絶対禁止。

万が一そうなった場合は、部員は速やかに退部、依頼主との恋を満喫すること。

・・・・だという。
 

< 70 / 73 >

この作品をシェア

pagetop