【短編】コクレン部。-あたしの恋の練習台-
ちぃーちゃんがいないコクレン部なんてつまんないじゃん?
そう言って、先輩は春の下駄箱で声をかけてきたときのようにおちゃらけたポーズをとった。
そのポーズが懐かしいやら嬉しいやらで、あたしは・・・・。
「せんぱいッ!」
柄にもなく耳まで真っ赤にして笑う先輩に飛びついた。
先輩と過ごす楽しい楽しい夏休みの、これが始まり───・・。
───突然ですが、あたしが通う高校にはいかにもアヤシイ部活があります。
スポーツ系、文化系といった一般的な部活ももちろんあるけど、中でも異色中の異色がこの部活。
“告白練習部”
略して“コクレン”
主な活動内容は、恋する男子・女子が意中の相手に最高の告白ができるように指導すること。
告白の練習台になること。
ちなみに部則は、依頼主と部員との恋愛は絶対禁止。
万が一そうなった場合は、部員は速やかに退部、依頼主との恋を満喫すること。
・・・・だという。