たとえばあなたが



そのうちに、だんだん思考がはっきりしてきて、小学5年生の少女にも事態が飲み込めてきた。



「ママ…」



これは、夢ではない。



「ママ…!」



体の奥から震えがこみ上げてきて、息が苦しくなった。



「ママ!」



小刻みに呼吸をしながら、涙と一緒に声を吐き出す。



一瞬取り戻せたと思った冷静は、すぐにまた錯乱へと変わっていた。



「ママ、ママ!!」



足がガクガクして、少女は叫びながら床に手をついた。



よつん這いになって、必死で母の元へ行こうとしても、力が入らずに前に進めない。



「ママぁ!!!」



不安定な体を支えようと肩に触れた警察官の手は、乱暴に払いのけられた。



少女はその場に座り込み、泣き叫ぶ声が夜の空気を震わせた。








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