女王様はメイド様?!①【完】
「いるよ。」


「ふーん。」


「なにその返し方」



「フツーに返しただけだけど?」


「自分で聞いたくせに?」



「そっから後に聞いてきたのは翔でしょ?」



「知らね」



「もういい…」



「ん?なんか言った?」



そう言って再びテレビを付け出した翔にあたしは怒りを隠せなかった。


人の気も知らずに…


あたしのことなんて翔はどうでもいいんだね。



「もういい。翔なんて知らない。人の気も知らないで言いたいことだけ言って…いつも上から目線で俺様だし、言ってることやってること意味わかんないし。婚約者がいるなら婚約者と仲良く新婚さんごっこいつまでも続けてたらいいじゃん。そんなくだらない遊びにあたしを巻き込まないで!いっつもいっつも迷惑してんだから!」



ひとつ言い出したらキリがなくて、自分を止めることなんてできなかった。


いままで溜まっていた分、どっと言葉が溢れてきた。


「…お前の言いたいこと全部わかったから。今週いっぱいはここのメイドとしてちゃんと仕事しろ。どの道1週間後が約束の日だもんな。絶対言うこと聞くっつー約束だから最後まで仕事しろ。約束の日過ぎたらもうなにもしなくていいから」



翔の目は今まで見た中で一番冷たい目だった。



相変わらず俺様口調で…でもいつもと明らかに違う。


”あたしに失望した”この言葉が一番しっくり来るだろう。


あたしは怒りに任せて最低なことを言ってしまったのだから当然のことだ。



いまさらこの現状を後悔しても思いを言葉にしてしまった以上、もう後戻りはできない。


あたし最悪だ。
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