成人しちゃっていいんですか
優しい太陽みたいな温かい体温。
陸とは違って指も長くて熱いぐらいに温かくて。

そんな指をふたり分先生は両手で包み込んだ。



「俺は河辺の家族と深い関わりがあったんだ。ただ、その当時は俺は本気でマヤの母親を愛してたよ生徒だなんて目で思えないほどね」
「………」
「でも俺は少し年上なだけで、教師で、まだ新人だったから夢を守るにも貫くにも必死だった。わがままかもしれないけどね」

でも僕は一度だけ教師という肩書きを捨てた。──と、先生は呟き、あたし達の後輩をみつめた。

細めた目は悲しんでいるようにもみえた。



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