★悪魔と妹★
(いいわ。
朝食の席でお兄様にお渡ししましょう……)
違和感を感じながらも白い封書を拾い上げる。
すると
パサッ
拾った拍子に、封筒の口が下を向き中から一枚のカードが滑り落ちた。
(あら)
どうやら封がされていなかったらしい。
ますます不思議。
もしかするとお兄様の知人が直接こちらに持っていらしてそっと玄関に置いていかれたのかしら……?
それならばこの状況も納得がいくのだけれど。
手にある封筒を裏返してみてもサインも何も記されていない。
封筒は文字を書くのがもったいないほど輝くように真っ白で、汚れ一つついていなかった。
私はそっとカードを拾う。
白いカードを裏返すと、
さらにまばゆい金の文字が浮かび上がっていた。