うそつきさる
 そんなある日、けむりが立ち上がっていました。

 みんなで火元に行くと、わらから煙がモクモクとたちこめていました。

「どうする?」

「消さなくて、どこかに火が燃え移ることもなさそうだし、わらくらい大丈夫だよ」
 みんなは火が消えるのをながめていました。

 そこにさるがあわてて戻ってきました。

「は、早く消してよ」

 さるは言いました。

「さるさんの息で消してよ」

「今日は調子が悪いから……そんなことより家が焼けちゃうじゃないか!」

 と、その直後にさるの上に、家の柱が倒れてきました。
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