片恋
会話を聞いていると、涙があふれてきた。

あの、さくら先輩がいる位置に私がいたかった。

私があと一年早く生まれていたら、井吹先輩は私を選んでくれてたのかな。

悲しい。寂しい。悔しい。
いろんな気持ちが次々とあふれてくる。

さくら先輩とは、莉子のお姉ちゃんらしい。

ずいぶん前にさかのぼるけれど、お母さんが風邪と言っていたのは、あれは嘘だったらしい。あの日、井吹先輩はさくら先輩に告白した。

しかし振られた。理由は華恋だった。さくらは、
「俊也くんには華恋ちゃんがいるじゃない!!」
っと、言ったらしい。

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