この出会いが奇跡なら-上-
「なっ、何よ…!ドジじゃな…――っ」
「ほら、乗れよ」
「……」
不意に小さい声でそう言われて、あたしは目を見開いてしまった。
あたしの前にスッとしゃがんで、「乗れ」とあたしに背中を向ける成斗。
「の、乗れって…」
「どうせ歩けねぇんだろ?その足じゃ」
「え。で、でもいいよ!あたし、その重いし」
「そんなの関係ない。置いてくぞ」
「…ッ」
成斗は卑怯だ。
そうやって、いつもうまいようにあたしをハメる。
「お前連れて帰らねーと、何のためにここ来たかわからねぇだろ。ほら桜」
「………」
その優しい声に、あたしは弱い。
あたしはドキドキしながらも、後ろからそっと成斗の首に腕を絡めて、少し広めの成斗の背中に、あたしはそっと身体を預けた。