この出会いが奇跡なら-上-




「成斗…」



好きな人の名前を声に出して呼んでみる。

別に特別な事なんてなにもないんだけど。



でも、前みたいに馬鹿な言い合いしてた頃が恋しくなる。



昨日の夜からまだ少ししか経ってないのにね。




あたし、成斗がいないと駄目みたいだ。




全然おもしろくないよ、こんなの。



真衣のとこ、行かないで。



寂しいよ。



あたしの行動すべてにすごく後悔する。




昨日の肝試しであたしが道に迷った時だって、走って探してくれたのは成斗なのに。

安心したのも成斗なのに。

ちゃんと帰ってこれたのも成斗のおかげなのに。

もっと感謝しないといけないはずなのに。




なのにあたしは、真衣にキスしてあたしにまでキスしようとしてきた成斗が許せなくて、ついつい当たってしまった。



きっと成斗は何でか分かってないんだろうな。

いや、それが普通だ。


それに、真衣とキスしたから、なんて言ったら、気持ちがほとんどばれちゃうから絶対に言えない。




でも、こんなだけど、声くらい掛けて欲しかったよ。




< 160 / 203 >

この作品をシェア

pagetop