この出会いが奇跡なら-上-





そんな森君の後ろを、あたしは何気ない顔で付いて行った。



みんながいた場所から少し離れたところで、森君の足がピタリと止まる。





「えっとさ、何?」



あたしがそう問いかけると、



「あのさ」


「…うん」





「春成斗と付き合ってんの?」


「え?」


如何にも予想外を超えた質問がスラリと返ってきた。




「えっと。いや、付き合ってないけど」

「そうなの?」

「うん」




「じゃあ俺にもまだ望みはあるって事だよな」



は?望み?




あたしが頭に「?」を浮かべながら森を直視すると、森は何故かあたしとの距離を縮めてきて、そのまますぐ後ろの壁に手をトンと置いて、あたしの逃げ道を完全に塞いでしまった。






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