この出会いが奇跡なら-上-




無事ホテルに戻ると、先生に帰ったことを伝えて、部屋の戸を開ける。



「疲れたー…」

そう言って、あたしはすぐさまベッドへダイブした。そのまま時計に目をやると、丁度時計の針が3時半を差していた。



そんなあたしに、「5時にお風呂だよねー」と愛子がそう言う。



お風呂か。今すぐにでも入りたいけど、愛子何かとうるさいからなぁなんて思いながら、ふと真衣に目を向けて今日の事が頭の中をよぎった。


「………」


成斗と、何もなかったのかなって。



聞きたい。

でも、もし聞いて後悔しちゃうのはあたし。

いや、まだ後悔すると決まったわけじゃないけど。


だけど聞かなきゃ分からない事だってきっとあるよね。


頷きながらそう自分に言い聞かし、あたしは恐る恐る真衣に問いかけた。




「ねぇ真衣。成斗と何か進展あった?」


あたしがそう言うと、真衣もこっちへクルリと振り向く。



「んー、何か薬持って来たんだけど」


……薬?



「あ!それあたしが成斗と真衣を二人きりにするための理由に使ってさ」

「あ、そうだったの。『お腹痛いんじゃないの?』って聞かれて『ううん』って否定すると、『あいつマジ殺す』って…」



…うわあ、怖。


成斗の言う殺すは、多分そうゆう意味の殺すじゃないと思うから、余計怖いんだよな。





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