この出会いが奇跡なら-上-
それからの数十分後、ご当地限定の食べ物と、ストラップと、そしてさっき見つけたブレスレットより遥かに安いネックレスを持ってレジへと向かった。
「あ、桜!一人にしてごめん!何買うの?」
いきなり横からひょいっと顔を覗かせた愛子があたしに笑顔でそう言った。
「愛子、皐月は?」
「あーもう班の人達と先行っちゃった」
「そっか、何買ったの?」
愛子の手に握られてる大きな袋を見て、あたしはそう問いかけた。
「んとねー皐月とペアの指輪買って、お母さんや妹にあげるお土産でしょ、食べモノとか、んーまあ色々」
「へえー。お金足りたの?」
「うん!余分に持って来てたからねー」という愛子にさすがだなと思いつつも、あたしは決められた分の金だけしか持ってきてないよと少しふて腐りながら、レジを済ませてみんなが待つ入口へと向かった。
その時、一つ気づいた事がひとつ。
成斗もお土産とか買うんだって事。
いや、誰だって初めて来たところではお土産くらい買うだろうけど、でも土産とかには全く興味がなさそうなあの成斗が。
「ねぇ、もうホテル戻る?皆行きたいとことかない?」
不意にそう言う愛子の言葉に、全員ないとそれだけ答え、あたし達はそこからトボトボとした歩調でホテルへと向かった。