この出会いが奇跡なら-上-
「ちょっ…成斗…」
「何で避けんだよ、まじムカつくんだけど」
「ん、」
成斗の体が、あたしに被さってくる。
駄目。こんなの駄目だ。
「っやめて。こうゆうことするのもうやめてって前に言ったでしょ」
「お前が逃げるから、いけねーんじゃねえの?」
不意にそう言われ、ギュッと口を閉じてしまうあたし。
でも、あたしが成斗と気まずくなって話せなかったのも、成斗が避けられてると勘違いしたのも、それは全て成斗が真衣にキスからで、それにあたしが傷ついたからで。
そりゃ、あたしが悪いよ。でも成斗だって悪いよ。
好きでもない女の子とキスして、影であたしが傷ついてるなんて気付かずに。
いや。気付かないのはあたり前だけど。
けど逃げたくなる程、つらかった。
真衣と成斗の二人を見ていたくなかった。
二人でいるとこ見ちゃうと、邪魔しちゃ悪いなと思って、逃げるというか、その場から離れるのが普通でしょ。
一緒にいる二人を見たくなかったんだから。
「…あたしだけが、悪いんじゃないんだから…」
不意に気づくと、あたしの口はそんな事をサラリと告げていた。
あんなに自分の所為自分の所為と決め込んでいたのに。
あたしの決意はこんなにも脆く自分の言葉で壊された。