この出会いが奇跡なら-上-
目頭が熱くなる。
一緒にいたくないなんてそんな事全然思ってない。
むしろ、ずっと一緒に居たい。
すごく悲しくなって、涙が頬を伝うのを必死に堪えた。
「う、馬鹿…」
「……」
馬鹿馬鹿言うにあたし成斗も黙って、じっとあたしを見つめて、「何で泣くんだよ」と、小さい声でそう言った。
流したくない涙が流れてしまったのは、成斗があんな事サラリと言うからだよ。
―――――馬鹿。
「成斗と一緒にいたくないなんて、そんな事全然思ってない!何でそんな事言うの。
理由なくちゃ、一緒にいちゃいけないの」
「…何だよそれ。じゃあ何で避けるんだよ」
「だって、だって…、つらかったんだもん!ずっと」
「……何で、お前が辛いわけ?」
そう言われた瞬間、あたしはついカっとなって、
「…馬鹿!成斗が、真衣とキスしたから…!」
「あ?」
不意に、自分の口からそう叫んでしまった。
……やってしまった。
そう思った瞬間、嫌でもカアッと顔が熱くなった。
「お前、それでつらかったの?…嫉妬かよ」
「…ばっ!違う!成斗が真衣とキスしたのにあたしともしようしたのが許せなかったの…!」
「だからそうだろ?許せなかったのだって嫉妬してたからだろ」
「違う!」
「…何だよ、そんな事かよ、俺超情けねぇ」
「そんな事って…」
あたしにとっては、そんなことじゃないんだけど。
好きな人が他の子とキスしたって聞いたら
誰だって傷つくと思う。
「俺、お前に嫌われたかと思った」
小さかったけど、ちゃんと聞こえた成斗の声。
え…?と一瞬耳を疑ったけど、ちゃんと聞こえた事を信じて、「嫌うわけない」ってそれだけ成斗に返した。
むしろ、ずっと一緒に居たい程、大好きだよ。