この出会いが奇跡なら-上-
成斗の顔がどんどん近くなって……
後ずさりしようと思った時にはもう遅かった。
優しくて、短い……
するとすっと唇がゆっくり離れた。
…わ、私、今…キスされた!?
さっきの一瞬の出来事にあたしはキスされたって今頃気がつき、顔の温度がカァっと熱くなる。
「今度は逃げねえーんだ、お前」
「…んな!」
またしても顔がカァっと熱くなった。
「か、帰る!」
「待てよ」
「な、何?」
「俺も帰る」
「……へえ、そう」
「時々お前の態度、ムカつく」
「ははは」と言って何とかその場から切り抜ける。
結局、成斗と一緒に帰ることになって、あたしの心はさっきの出来事に心臓がバックン、バックンで喋るのも手一杯だった。
少しずつ前に戻りつつある距離。
そんなこんなで修学旅行は幕を閉じた。