この出会いが奇跡なら-上-
その後、あたしは、「お前のせいで負けたんだから、ジュース一本奢りな」とそう言われて、渋々仕方なく500mlのジュースを一本、奢ってやった。
その後、時間はあっと言う間に過ぎ、時計の針は軽く18時を過ぎている。
「女をこのままゲーセンにいさせんのは危ない」
そう言う成斗の言葉にみんなは同意して、あたしたちを駅まで送ってくれた。
「ねえ、ねえ、愛子」
「何?」
電車に乗り込んで、今日思ったことを早速愛子に問いかけてみた。
「愛子って、皐月君の事が好きなの?」
そう聞くと、愛子は一瞬大きく目を見開いて、
「さあ、どうだろうね」
にっこりと笑った表情でそう返してきた。
んー…分からない。
「愛子と皐月君、お似合いだとあたしは思うよ」
あたしがそう言うと愛子の顔は林檎みたいに真っ赤に染まって、「あ、やっぱり?」なんてそう思ったけど、それ以上何か言うのはやめてあげることにした。
それから地元の駅で降りて、途中の分かれ道で、あたし達は手を振って解散した。