この出会いが奇跡なら-上-
少し震える手で、ゆっくりとインターホンのボタンを押す。
ボタンを押してから少し時間が経つと、ガチャっと玄関の扉が開いた。
「はい。…って、…お前かよ」
「あたしで悪かったわね」
「…何で来たんだよ?」
「心配だったからに決まってるでしょ」
あたしがそう言うと成斗は一瞬驚いた様な顔をして、「まあ、入れよ」と、小さい声でそう言って、すんなりと部屋の中へと入れてくれた。
お邪魔します、とだけ言って部屋に案内される。
へぇ。案外、綺麗にしてるんだ。
俺の部屋と強調したプレートが扉に掛かったドアを
ガチャリと開け、成斗の部屋に入れてもらう。
結構シンプルな部屋。
白と黒でまとめられた綺麗な部屋だった。