この出会いが奇跡なら-上-



食欲ないって言ってたけど、絶対少しでも何か食べたほうが良いし。

何か作ってあげようかな。


そう思い部屋を出て、台所へ向かった。

あたしは風邪の時よくお母さんが作ってくれた、雑炊を作ってあげることにした。

お粥もいいけど、野菜とかあった方が体にも良いと思うから。




その40分後。


「よし、出来た!」


お鍋と取り皿等をお盆に乗せて、溢さないように、ゆっくりと成斗の部屋へ持って行く。


ガチャっと部屋の戸を開けると、まだ成斗はぐっすりと眠っている。


起こすのは何だか申し訳ないし、起きるまで待っておこうと、そう思った。





それにしても、かわいい寝顔してるな。


きっと可愛いなんて言ったら、機嫌そこねると思うけど。


そっと額に手を伸ばし、体温を確かめる。


「熱、あるな…」

これ39度あってもおかしくないと思うんだけど。




そのままそっと、成斗の金髪に触れてみる。

結構サバサバしてんのかと思ったら、思った以上に、サラサラ。



何この髪質。ちょっとムカつくんですけど。



ふとそう思っていた時だった。





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