この出会いが奇跡なら-上-
「ほら、赤外線」
「えっと、どこだっけ…」
「…ほら、ここじゃねーの?」
ちょっと待った。すごく、近い。
………近すぎるよ。
「送信したから、そのメアドに空メ送っといて」
「え、うん。分かった」
「番号は今日俺が掛けたやつ、登録しといてくれればいいから」
「うん」
好きな人の名前が入った電話帳。
その名前を見ると、嫌でも顔がふにゃりとニヤけてしまう。
「お前、またニヤけてんぞ」
「ニヤけてなんか…!」
「ふ、じゃあまたな」
キュンっとする笑顔を向けられて、あたしの心臓がドクンと静かに波打ちながらも、あたしはそのまま成斗の家をあとにした。