*エトセトラ*
数秒間の沈黙が続いたあと、ようやく黒崎が口を開いた。

「……意味分かんねえけど、なんとかのユメ子ちゃんとやらは好きじゃない。つーか、誰だそれ」

「フッ…またまた。とぼけてもムダだよ」

「人違いだろ。心当たりがない」

「見てろよ黒崎君…。僕、本気を出すからね…」

「だから…」

いつまでもとぼけたフリをする黒崎を置いて、走り去った。





「なぁ和泉、米倉と何喋ってたんだ?珍しいな、アイツが人に話しかけるなんて」

「さあな。ユメ子ちゃんがどうとか…。どうやら俺はそのユメ子ちゃんのことが好きらしい」

「誰だそれ」

「知らね」

「和泉もひでぇ奴だな。モカちゃん以外に早速違う女作るとは」

「裕太、殺すぞ」




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