さぁ、跪いて快楽を乞え!
「薫が熱を出している間、愛しい人が自分の腕の中に居たのに、私はお預けを食らっていたんですよ? ご褒美を頂いても良いと思いませんか?」

「こん、なのじゃっ……褒美に、ならない、だろ……?」

「珍しい……誘っているのですか?」

「えっ? ……ちがっ!」

薫の否定の言葉も虚しく、寿は手袋を外すとただ腰かけていた状態から薫の上に覆い被さる。

そして薫に一度軽くキスをすると橘は言った。

「据え膳食わぬは男の恥、ですね」

「ちがっ、なんかちがっぅあっ」
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