さぁ、跪いて快楽を乞え!
「へぇ……先生、睡眠不足なんだぁ」

と言うのはアキ。

「お疲れ様です」

と言うのは菖蒲。

「え? あ、ありがとう……?」

二人の言葉に意味が分からず、先生は首を傾げながらもお礼を言った。

「あ、早く帰りたいからってとこ悪いんだけど、これ貸し出しOK?」

そういって薫は先程まで読んでいた本を先生に見せる。
気に入ったようだ。

「あぁ、大丈夫ですよ」

「それは良かった」

「借りるんですか?」

そう聞いておきながらも、先生は薫が絶対に借りると分かっている。数ある貸出し用紙の中から薫の貸出し用紙を抜き取り、本の題名を書き、薫に来週までですよ、と伝えた。

「分かってるじゃん」
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